便秘を改善するための食物繊維の摂取量とは?摂り過ぎも注意!
「便秘には食物繊維が良いと聞くけど、どれくらいの量を食べたら良いの?」と疑問に思っている方も多いでしょう。食物繊維はさまざまな理由で便秘解消や便秘対策に良いと言われていますが、摂り過ぎにも注意が必要です。
そこでこの記事では、便秘を改善するための食物繊維の摂取量について紹介します。また食物繊維が便秘に良いと言われる理由や、食物繊維を手軽に摂れる食べ物なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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食物繊維とは
食物繊維とは「人の消化酵素で消化されにくい、食物中の難消化性成分の総体」と定義されています。炭水化物や脂質、たんぱく質は消化酵素で分解されて小腸で吸収されるものの、食物繊維は小腸を通過して大腸に到達するのです。
食物繊維は水に溶ける「水溶性食物繊維」と、溶けない「不溶性食物繊維」に大きく分けられます。便秘対策の働きだけでなく、大腸内の善玉菌のエサとなって腸内環境を整える働きや、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度を下げるなどの働きも持つことがわかっています。
食物繊維が便秘に良いと言われる理由
食物繊維とは何かわかったところで、まずは食物繊維が便秘に良いと言われる主な2つの理由を紹介します。
①便の量を増やすから
主に不溶性食物繊維の働きとして知られているのが、便の量を増やすというもの。腸内で水分を吸って膨らむ不溶性食物繊維は、便の体積を増やして大腸を刺激し、便意を起こして排便を促します。
②便を柔らかくするから
主に水溶性食物繊維の働きとして知られているのが、便を柔らかくするというものです。硬くなって腸内で動かなくなった便に水分やヌルヌルとした粘着性与え、排便の動きをスムーズにします。
食物繊維の摂取量
厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、一日あたりの「目標量」(生活習慣病の発症予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量)は、18~64歳で男性21g以上、女性18g以上となっています。最近の調査結果では現代の日本人の1日の食物繊維摂取量は1日あたり14〜18g前後となっており、目標量に達していません。
ただし反対に食物繊維を摂りすぎると消化器官の負担になったり、かえって便秘がひどくなったりする場合もあるので、成人で男性21g以上、女性18g以上を目安にバランスの良い食事を意識しましょう。
食物繊維を手軽に摂れる食べ物
最後に食物繊維を手軽に摂れる食べ物を、野菜、豆類、穀物の3種類に分けて紹介します。
野菜
野菜は食物繊維の主要な摂取源です。ごぼうやモロヘイヤ、にんじん、ほうれんそうなどに豊富に含まれています。またアボカドやオクラ、ブロッコリー、トマトなどといった普段の手軽に取り入れやすい野菜にも豊富なので、サラダや野菜スティックを食べるのを習慣にしてみましょう。
食品名 |
水溶性食物繊維量(g/100) |
不溶性食物繊維量(g/100) |
食物繊維量(g/100) |
だいこん(葉、ゆで) |
0.8 |
2.8 |
3.6 |
ごぼう(生) |
2.3 |
3.4 |
5.7 |
モロヘイヤ |
1.3 |
4.6 |
5.9 |
にんじん(生) |
0.7 |
2.1 |
2.8 |
ほうれんそう |
0.7 |
2.1 |
2.8 |
豆類
豆類も食物繊維が豊富な食材です。大豆製品を意識して食べるだけでも食物繊維の摂取量を増やせるでしょう。いんげん豆やえんどう豆もおすすめです。
食品名 |
水溶性食物繊維量(g/100) |
不溶性食物繊維量(g/100) |
食物繊維量(g/100) |
いんげん豆(乾) |
3.3 |
16.2 |
19.6 |
大豆(乾) |
1.5 |
16.4 |
17.9 |
大豆(蒸し) |
4.2 |
6.3 |
10.5 |
納豆 |
1.2 |
2.2 |
3.3 |
えんどう豆(乾) |
1.2 |
16.2 |
17.4 |
穀物
穀物にも食物繊維が含まれていますが、白米には100gあたり0.5gほどしか含まれていません。白米は玄米や雑穀米にしたりオートミールに置き換えたりしてみるのがおすすめです。また、パンもライ麦パンや全粒粉パンを選ぶようにしてみてください。
食品名 |
水溶性食物繊維量(g/100) |
不溶性食物繊維量(g/100) |
食物繊維量(g/100) |
ライ麦粉 |
4.7 |
8.2 |
12.9 |
オートミール |
3.2 |
6.2 |
9.4 |
そば粉 |
1.3 |
3.1 |
4.4 |
玄米 |
0.7 |
2.3 |
3.0 |
便秘に良い食物繊維は、摂取量も意識しよう
便秘を改善するための食物繊維の摂取量について紹介しました。1日の目標摂取量は、成人で男性21g以上、女性18g以上を目安にすると良いと言われています。摂り過ぎも注意が必要ですが、食べ物に含まれている食物繊維の量を見たところ、かなり意識して食事をしないと目標摂取量には到達しないでしょう。
食物繊維を豊富に含む食材を積極的に食事に取り入れて、栄養バランスの良い食事で無理のない便秘対策をしてくださいね。