便秘は何日で危険?受診するべき・大丈夫な便秘の基準とは
何日もお通じがなく、病院を受診するべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。便秘はしばらくするとお通じが来て安心できることもありますが、放っておくと意外な病気に繋がることもあります。そこでこの記事では便秘は何日続くと危険なのか、「危険な便秘」について紹介します。便秘を放置したらどうなるのかも紹介するので、便秘に悩みがちな方や、最近お通じがない方はぜひ参考にしてください。
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そもそも便秘の定義は
便秘の定義はいくつかあり、日本内科学会は「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」と定義しています。理想的なトイレ回数は「1日1回、朝食後にいきまず排便」ではあるものの、毎日便が出ないからといって便秘というわけではありません。
また排便回数だけで決まるのではなく、1回の排便量が少ない、いきまないと出ない、残便感があるなど、排便が順調に行われていない状態を便秘と言います。毎日排便があってもスッキリ感がなければ便秘だと言えるでしょう。
危険な便秘とは?
便秘の定義について理解したところで、危険な便秘について紹介していきます。
約1週間以上続く便秘
便秘が1週間以上続く場合、なんらかの病気が原因である可能性が考えられます。また便秘が1週間以上続くと、お腹が張って苦しいなど体調に変化も見られる可能性が高いです。大腸の内容物が腐敗して、口臭がきつくなったり、肌が荒れたり、不眠になったりすることもあります。「1週間以上」という日数はあくまでも目安として、体調に変化が見られたら早い段階で医療機関の診察を受けた方が良いでしょう。
強い腹痛や発熱などを伴う便秘
すぐに治療が必要な病気になっている可能性があります。例えば、便が固まってしまう閉塞症や炎症が起こる潰瘍性大腸炎、まれではあるものの大腸に穴が開く大腸穿孔、そこから便の細菌が広がり腹膜炎などを発症しているかもしれません。また便秘はクローン病の症状としてもよく見られます。強い腹痛や発熱を伴う便秘の場合は、直ちに医療機関の診察を受けましょう。
自己判断に頼り過ぎないことが大切
便秘が危険な状態かどうかは、自己判断に頼り過ぎないことも大切です。大丈夫だろうと放置していると、大腸の中で便がさらに硬くなりより便秘がひどくなることも。また自己判断で市販の便秘薬を飲み続けるのも危険です。そもそも便秘の原因が直腸がんや直腸瘤などの病気である可能性もなくはありません。いつもと違うなど不安に感じたら病院に行くことをおすすめします。
危険な便秘を放置するとどうなる?
便秘を放置するとさまざまな病気に繋がります。具体的に紹介しましょう。
痔・脱肛
便秘になって便が硬くなると、排便時に肛門が切れやすくなったり、いきむことによっていぼ痔が大きくなったりします。また、痔になると排便時に痛みや出血が起こりやすくなるため便意を我慢してしまい、便秘が悪化するという悪循環にも陥りやすいため注意が必要です。ひどい場合は、排便時にいきむことで痔核が肛門の外側に出てくる「脱肛」という症状も起こりかねません。
糞便塞栓症
便が直腸内で水分を吸い取られて固まり、詰まってしまう状態のことです。この状態の便は下剤や浣腸が効きづらいので、指先や器具でかき出さなければなりません。糞便塞栓症の場合はオナラが出ず、激しい腹痛や吐き気を伴うことが多いです。
腸の病気
慢性的な便秘は大腸がんの原因のひとつとも言われています。先述したように、潰瘍や大腸穿孔ができたり、腹膜炎を発症したりすることも考えられます。また腸以外にも、便秘で腸内環境が乱れると、高脂血症や糖尿病などの生活習慣病になりやすいこともわかっています。
便秘は何日目か気にしすぎずに受診しよう
便秘は何日で危険なのか、危険な便秘の特徴や、放置した場合に起こり得る症状などを紹介しました。何日以上で危険とははっきり決まっていませんが、3日以上で便秘と考え、1週間以上で危険な便秘と考えるのが一般的だと言えます。しかし何日目かというのはあくまでも目安として、排便の異常をともなう腹痛、頭痛、お腹の張り、吐き気などが気になる時は、早めに受診するようにしてください。
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